あみださま大修理

あみださまの修理の様子を絵本にしました。
仏像の修理は、ただ簡単に「綺麗にすればいい」というものではありません。
歴史をふまえて慎重に修理がされていきます。
そんな様子を実際に仏像の修理をしている羅漢工房に取材、監修してもらい、絵本にしました。
小学3年生からの子供の絵本としてはもちろん、大人も読んで興味深いと思います。

宮村田鶴子 文 牧野良幸 絵

福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年2月号 第263号

定価700円 ページ数:40
サイズ:25X19cm

おはなし

長年お寺にあるあみださまが、ほこりやはがれで痛んできましたので、修理をすることにしました。

修理の工房に運ばれたあみださま。修理のまえに、台座、光背、あみださま本体をよく調べます。記録写真も撮っていきます。

頭の中からお経がでてきました。ひろげると「南無阿弥陀仏」と千回も書いてあります。

季節もうつりかわり、頭部を修理しているところ。漆(うるし)や金箔を使って修復していきます。

本体を再び合わせ、つなぎ目をわからなくしていることろ。完成まで、もう一息です。

 
原画はすべてMacによる制作

原画の制作は、最初からすべてMacで製作しました。
コンピューターによる製作というと、無機質なものを想像するかもしれませんが、 この絵本の場合はちがいます。原画は、すべてペンタブレットによる手描きで、水彩のタッチを出しました。
この絵本を見て、コンピューターによるものとは、たぶん誰も思わないでしょう。

1 最初は線の描画です。それから説明の文字も書いていきます。

2 仏像は細部まで描かれないとリアリティーがありませんから、写真を見ながら進めていきます。でも、絵にそのまま使える写真はありませんから、数枚の写真から、絵を想像し、具象化する神経のいる仕事でした。

3 描きながら仏像や台座の様式についても、本を読んで勉強しました。仏像の様式を知ると描くのも少し楽になります。

4 線描をひととおり終えたところで、色を別レイヤーで塗っていきます。
ブラシを水彩のようなエッジと濃淡をもつように特別にカスタマイズしたものを作り、
それで彩色していきました。

5 手による作業なので、コンピューターによる製作といっても、時間と慎重さが要求されます。

6 金箔を金箔らしく描写するのには特に苦労しました。

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