
ノリントンのCDはEMIから出ていたはずなのだが、この全集はVirginからリリースされている。そのせいで安いのかもしれない。再発ということか。
値段が安いのはありがたいが、ライナーが貧弱なのは残念だ。せっかくオリジナル楽器での演奏なのだから各交響曲の編成など、資料は付けて欲しかった。
ディスクは箱のベートーヴェンの絵を印刷したピクチャーデスク。 それよりもやはりライナーだなあ。私が欲しかったのは。
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ここのコーナーは中古のアナログレコード探し、がテーマであーる。
が、たまには掟破りもする。今回はCD、それも新品で購入した。こんなときもあるのだ。
銀座は山野楽器、なにげに寄ったのがまずかった。最近は輸入盤のセット物が安いときいていたので、なんかあるかとエスカレーターに飛び乗ったのだ。
このベートーヴェン交響曲全集はCD5枚組なのに、なんと2580円(だったか)。これなら中古党の私でも軽くノックアウトするお値段だ。以前からノリントン指揮のベートーヴェンを聴いてみたくて、中古CDを漁っていたのだが、思わぬところで全集が新品でそろってしまったのである。いやはや。
気迫あふれるベートーヴェン、テンポは大事だね
ここでの演奏もオリジナル楽器である。オリジナル楽器だと音色だけに興味が向かいそうだが、テンポやアーティキュレーションにも、興味深いところは多い。
たとえば第九の第四楽章。
冒頭オーケストラのレチタティーッヴォなど、はやいはやい! 逆にマーチのところはゆったりと進む。今までの常識的なテンポとはちがうものである。
ベートーヴェン自身の書き記したメトロノーム値は早すぎて現実的ではない、とどこかで読んだことがあるが、ここではそれに近く演奏しているような気がする。ライナーが英文で少量なので、演奏者のアプローチの仕方がわかりにくいのが残念だ。
案外ベートーヴェン自身のテンポ設定があたっているのかもしれぬ、と考えた。ベートーヴェンの交響曲は、これまであまたの指揮者の自己表現の餌食とされてきたから、どれが真実かわからないじゃないか。かといって、魅力のない演奏では困るし、むずかしいところである。
その点このノリントンの演奏は、メリハリたっぷりのバイタリティあふれるもので、巨匠の指揮したベートーヴェンとはまた別で楽しめるものである。
最後にティンパニの音。硬い鉢で叩いているのだろう。ダンダン!とこちらの頭を直撃してくれる。『田園』でも『運命』でも、このティンパニの音が、ロマン派以前の19世紀初頭の雰囲気を出していて、いい。
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